うつになった 前編

私は都内に勤めるごくごく平凡なサラリーマン。

 

普通に生まれ、普通に育ち、普通に大学に行き、普通に就職して、普通に転職した。

そう、うつ病」になるまでは。

 

■入社~転勤まで

今の会社に入ったのはもう5年前。

当時は業界3位のポジションでありながら、会社の大きな転換期の直後の大量採用。

そんな時期に入社した。

同じ月に15人近く同期がいるようなそんな会社。

 

前職がブラックでどんなに営業成績を上げようが何しようが給料が上がることはない会社だったため、この会社では一旗上げてやろう!そんな風に思っていた。

 

そして入社して初めて予算を持たされたその月にダントツの売上を叩き出し、初月にして全社の月間トップセールスに選ばれた。

 

しかしここに早速落とし穴があったのだ。

この会社の売上計上は営業としては少し特殊で、「その月の売上」ではなく「その月の営業活動の純増金額」で目標の達成・未達を判断する。

つまり既存のお客様から今取引している商品の解約が出たら、その分も含めて達成させなければならない。

みんなそのことをわかっていたので、取れるだけの受注を1ヶ月で取ってしまった私は周りから見れば「あーあ、あいつやっちゃったなー。」状態である。

みんなは達成させたらあの手この手で受注を翌月に回し、その分で毎月安定して達成させるのがこの会社では定番の営業方法だったのだ。

 

それを知らなかった私はとにかく全力で営業してしまっていたので、その後何ヶ月も未達が続く。

そしてそのことを上司に詰められ続ける日々。

 

この上司はとにかく「THE☆営業マン」といった感じの人で、

未達になることはお前の努力が足りないからだ!!!!

受注できないなら足で稼げ!!!!

足で稼げないなら受注率を上げるためにできることを全力で考えろ!!!!

 

みたいな人。

上司自身も営業はできるけど、ケアレスミスが多くて事務のお姉様方からはしょっちゅクレームを受ける、そんな人。

この上司とは1年半一緒に仕事をするのだが、この上司とはウマが合わないと自覚していた私は福岡への転勤を申し出る。

 

■福岡支社時代

福岡支社では同業界で営業を経験していたベテランマネージャーが上司となった。

この上司も「殺すぞ!」とか「死ね!」とかは日常茶飯事のパワハラ上司だった。

 

しかし本社の上司と違うのは、言ってることに筋が通っている(少なくとも私はそう感じた)ということ。

この上司についていけなければ転職思ってた私は必死に上司と仕事をした。

飲めない酒も飲み、歌えない歌も歌い、お客様の無茶な注文も全力で対応した。

その甲斐もあって2年で2階級昇進し、2年目には全国の約100名の営業マンの中から年間トップセールスに選ばれ、晴れて管理職となって本社に戻る事になった。

 

■管理職時代

管理職になって不安なことが2つあった。

  1. 本社時代のウマの合わない上司が、自分の直属上長になったこと。
  2. 部下の半分が営業未経験の契約社員、半分がテレアポ専門の派遣社員で、正社員の部下は一人しかいなかったこと。

1はともかく2は管理職である以上、文句が言えるものではない。

全力で関係性を作るところから始めた。

最初は年上の部下と意見が衝突し、言い合いになることもあったが、チームとして形を作ることに全力を尽くした。

 

しかし自分のチームが達成することは数ヶ月に1度という状態。

あの状況が戻ってきたのだ。

未達になることはお前の努力が足りないからだ!!!!

受注できないなら足で稼げ!!!!

足で稼げないなら受注率を上げるためにできることを全力で考えろ!!!!

管理職として部下の数字に責任を持つことは当然だ。

部下の未達は上司のマネジメント不足。

そんな状況が7ヶ月続いたある日、体に異変が起きた。

 

痛っ!?ちょっ!?痛ててて!!!

なんだこれ!?めっちゃ胃が痛い!!!!

 

ついに胃をやっちまったかー。と思い、内科を受診してお薬をもらう。

 

なんで!?

全く治らないんだけど!????!!!

めっちゃお腹痛いよ!?!????

 

色々と検査するも何も見つからず、1週間後にかかりつけの医師の勧めで精神科を受診することになる。

 

※後編につづく※