うつになった 後編
■自律神経失調症の診断
そこで下された診断は「自律神経失調症」。
ストレスによって体のバランスをとってくれる交感神経と副交感神経がおかしくなっちゃう症状。
人によって出てくる症状は様々。
自律神経失調症になると、特に原因が思い当たらないのに様々な症状が現れます。
慢性的な疲労、だるさ、めまい、偏頭痛、動悸、ほてり、不眠、便秘、 下痢、微熱、耳鳴り、手足のしびれ、口やのどの不快感、頻尿、残尿感
精神的な症状としては
イライラ、不安感、疎外感、落ち込み、やる気が出ない、ゆううつになる、感情の起伏が激しい、あせりを感じる
など症状はいろいろあります。
※http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201008/jiritsusinkei_sp.htmlより引用。
とにかく胃が痛くて動けない。
1週間ぐらいして胃が痛くなくなったら、びっくりするぐらい体が重くて起き上がることもできない。
当然会社は休職。
でも休職になってもほぼ何もできない。
ベットの中でスマホいじるぐらいしかできない日々。
夕方ぐらいから体調が良くなるときは、近くの公園に行ったりゲーセンのメダルコーナーで遊んでみたり、元気なときの休日と変わらない生活。
家事もできたし、掃除もできた。
でも料理だけはどうしてもできなかった。
学生時代から料理は得意だったのに、どうしても味付けに自信が持てないのだ。
そして出来上がった料理は必ずと言っていいほど、まずかった。
これはとにかく悲しかった。
自分の自信のあった能力が一つ失われてしまったのだ。
あとはとにかく体力がもたない。
例えるならRPGでよくある毒とかの状態異常を食らってる気分。
歩くだけでHPが削られる感覚だった。
■復職の果てに
そんな生活を4ヶ月ぐらい過ごしていたが、なんとか体調が良くなる日が続くようになってきた。
医師に相談しても「自分で働きたいと思えるなら仕事に行ってみよう」と後押ししてくれた。
以前の営業部署は無理だろうという会社の配慮で社内では比較的のんびりとした企画系の部署に異動することになった。
しかし運命とは往々にして悪戯なもので、その天国も長くは続かないのだ。
元々いた営業部署の成績が奮わないということで、営業部署の企画に行ってほしいとたった3ヶ月で異動。
また最前線でバリバリと働くことを求められることになったのだ。
ただ正直なことを言うと少しホッとした。
前の部署はのんびり過ぎて月間の残業が2時間ぐらいに収まってしまうような部署だったので、本当に暇な時間が多かったのだ。
上司の仕事をやるにしても専門性が高すぎて、代理でやれることは名刺を発注することぐらい。
そのためお昼を取れないぐらい忙しい部署に異動になることは内心ワクワクしている自分がいた。
■うつ病との出会い
ただ体は正直なものでこの部署に異動して、たった1ヶ月で私の体は壊れた。
いや、正しくは心も壊れてしまった。
ある日の朝、突然動かない体。
立てなくなるほどひどいめまいが私の体を襲った。
休みがちになる会社。
このときから自分が生きている意味がわからなくなってきた。
人間として当たり前の生活ができないのならば、生きていても仕方ないのではないか。
そんな考えが頭の中をぐるぐるよぎるようになった。
夢を見れば悪夢にうなされる日々。
そもそも寝られない夜もたくさんあった。
死にたいと考えてしまうのは理屈では病気のせいだと理解しているが、頭がそう考えてしまうのだ。
巷ではパワハラ問題が騒がれている昨今ではあるが、本当にごく一部明るみになったものだけだと思う。
部下のためと思っての叱責かもしれないが、本当にパワハラになっていないだろうか?
部下の心を壊す怒り方をしていないだろうか?
壊れてしまったものは容易に元に戻ることはない。
私の戦いはここからなのだ。